働きマン 1,2巻
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安野モヨコ『働きマン』4巻 ドラマ『働きマン』&『サプリ』とのかかわりで -紙屋研究所という文章を読んで、僕も最近働きマンを読んだばかりであるので、改めて何か書きたくなったので書く。つくづく僕はリアクションブロガーであるなあと思う。
さて、働きマン。僕はモーニング連載当初からおっかけていた。何故ならどう考えても面白い漫画だからだ。なぜ面白いか。それはひとえに登場人物たちの人物造詣にある。
例えてみよう。主人公の松方弘子。通称働きマン。彼女はぶっちゃけ仕事依存症である。恋愛にもファッションにも、人並みの興味を持ちながら、ものすごい仕事への執着と愛情に押されてその他が全てどうでもよくなってしまうというキャラクター。しかもそんな自分自身にも自覚的で、常にくよくよ迷ってたりする。そのくせ全力で働く。死ぬぞ。
僕なんかはくよくよ迷った上で結構行動に起こせなかったりして、そういう意味であのバリバリ感は非常に胸に刺さる。あんなことやったら死んでしまう、と思いつつも、ああいう風にできていない自分自身を省みて、ちょっと泣きたくなったりする。
そう、この人物造詣は、「漫画は漫画、現実とは違う」と言わせてくれないほどの「現実感」がある。そこがこの漫画の最大の魅力だと僕は考えています。
そして、ドラマ。見たけども。漫画より現実感がないドラマってどーよ、という感じ。菅野美穂、期待していたのになあ。
Bloody Monday
- 作者: 恵広史,龍門諒
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/08/17
- メディア: コミック
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この漫画はサスペンス漫画です。テロ組織 vs 少年ハッカー+様々な組織、という構図です。ただ、そんなシンプルな構図では割り切れず、スパイが紛れ込んでいたり、色々なケースがあります。
で、まあ僕は人に面白さを説明するのがとても下手な人なので、うまくいえないのですが、この漫画の面白さは単純に「構成」にあります。登場人物の造詣、特に悪役側の人物造詣がとてもよく出来ている。また、絵もかなり気合が入っている。
さらにストーリーも結構よく練られています。今回の話では、犯人の護送をしている車に乗り合わせた人間は四人。一人は主人公、一人は犯人、二人は警察組織なのですがうち一人はスパイ、という状態でストーリーが進んでいます。で、今、二人の警察組織の人間のうち、どちらがスパイなのか、というところで話が進んでいます。
まるで人狼ゲームみたいな展開で、個人的にはここに紹介するぐらいわくわくしています。とりあえず少年漫画系の中ではかなりちゃんと作りこみされている作品に見えます。サスペンス系が好きな方はお勧め。
NANA 18巻
- 作者: 矢沢あい
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/09/14
- メディア: ペーパーバック
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読み終えました。矢沢あいという作家は、個人的には「情熱的、言い換えれば短期的に燃え上がる愛」を上手く描く作家だと思っています。つまり、目の前の感情の機微、情緒的なDetailの描き方が非常に素晴らしい作家なのです。言い換えれば「ギャル的な恋愛」といってもいい。
一方、矢沢あいさんは、「情熱的、言い換えれば短期的に燃え上がる愛」を同時に否定的に見てもいます。登場人物達の情熱的な恋愛を描いたかと思えば、他のキャラに「彼らは早速同じ寮の女に手をだしてうまく息抜きしてるじゃないか」と言わせてみたりする。
夢と現実の綱引き。その綱引きがこの巻になって凄く強烈になってきて、人によっては「こんなNegativeな恋愛漫画見たくない!」という人もいそうですね。
それでもここまで人気が続いているのは、登場人物達それぞれのキャラクターを非常に深く掘り下げているからでしょう。そしてその掘り下げのベースにあるのは「人間への愛」と言っても過言じゃない。だからこの作者は好まれるのでしょう。
しかしどんどん矢沢あいさんの漫画書きとしての腕は上がっていくなあと、しみじみ思います。さすが未だ独身で漫画一本でやっている人だけあるなあと。あれだけ「愛」をテーマにしている漫画を書いているのに。寂しくないのかなあ。