NANA 18巻
- 作者: 矢沢あい
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/09/14
- メディア: ペーパーバック
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読み終えました。矢沢あいという作家は、個人的には「情熱的、言い換えれば短期的に燃え上がる愛」を上手く描く作家だと思っています。つまり、目の前の感情の機微、情緒的なDetailの描き方が非常に素晴らしい作家なのです。言い換えれば「ギャル的な恋愛」といってもいい。
一方、矢沢あいさんは、「情熱的、言い換えれば短期的に燃え上がる愛」を同時に否定的に見てもいます。登場人物達の情熱的な恋愛を描いたかと思えば、他のキャラに「彼らは早速同じ寮の女に手をだしてうまく息抜きしてるじゃないか」と言わせてみたりする。
夢と現実の綱引き。その綱引きがこの巻になって凄く強烈になってきて、人によっては「こんなNegativeな恋愛漫画見たくない!」という人もいそうですね。
それでもここまで人気が続いているのは、登場人物達それぞれのキャラクターを非常に深く掘り下げているからでしょう。そしてその掘り下げのベースにあるのは「人間への愛」と言っても過言じゃない。だからこの作者は好まれるのでしょう。
しかしどんどん矢沢あいさんの漫画書きとしての腕は上がっていくなあと、しみじみ思います。さすが未だ独身で漫画一本でやっている人だけあるなあと。あれだけ「愛」をテーマにしている漫画を書いているのに。寂しくないのかなあ。